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オーバークロックの基礎知識
【オーバークロックの基礎知識】
【オーバークロックの仕組み】
オーバークロックは、FSBのクロックアップ、もしくはCPUの内部倍率を上げる事で行われています。
【FSBのクロックアップ】
※ 画像はクリックすると大きく表示されます。
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PLL ICと言うチップからFSB(ベースクロック)が生成されています。
(PLL ICは、水晶振動子の14.318MHzからFSBを生成する)
このFSBをクロックアップする事で、”コアクロック”、”システムバスクロック”、”メモリクロック”等が引き上げられます。
つまり、FSBをクロックアップする事で、CPU・メモリ・システムバスのスピードアップが期待出来ます。
FSBと”コアクロック”、”システムバスクロック”、”メモリクロック”は以下の様な関係になります。
コアクロック : FSB×内部倍率
システムバスクロック : FSB×4
メモリクロック : FSB×メモリ比率
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例えば、FSB:333MHz(定格)とFSB:400MHzとをCore2 Quad 9450(内部倍率8倍)を使用してメモリ比率(5:6)だった場合のそれぞれのクロックは以下の様に成ります。
● FSB:333MHz
コアクロック : 333MHz×8=2.66GHz
システムバスクロック : 333MHz×4=1333MHz
メモリクロック : 333×6/5=400MHz (デュアルチャネルの場合は×2されて800MHz [DDR2-800] )
● FSB:400MHz
コアクロック : 400MHz×8=3.2GHz
システムバスクロック : 400MHz×4=1600MHz
メモリクロック : 400×6/5=480MHz (デュアルチャネルの場合は×2されて960MHz [DDR2-960] )
注) FSBをクロックアップした場合、システム全体のクロックがアップしてしまう為、チップセットと接続されているデバイス(PCI-Eバス/PCIバス)もクロックアップされてしまい不具合が発生する場合も有りますので、チップセット以下のクロックを定格固定にする必要が有ります。
【CPUの内部倍率】
FSBのクロックアップによるオーバークロックと違い
CPUの内部倍率によるオーバークロックは、CPUのコアクロック(動作クロック)のみのクロックアップを図るオーバークロックです。
つまり、
他のデバイスを巻き込む事無くオーバークロックが可能と言う事です。
(逆に言うとメモリやシステムバスクロックのオーバークロックが出来ない)
内部倍率とは、CPU毎に固有な値に成っています。
例えば、Core2 Quadで言いますと、、、(FSB 400MHzの場合のコアクロック)
Core2 Quad 9450 : 8倍 (400MHz×8=コアクロック 3.2GHz)
Core2 Quad 9550 : 8.5倍 (400MHz×8.5=コアクロック 3.4GHz)
Core2 Quad 9650 : 9倍 (400MHz×9=コアクロック 3.6GHz)
がそれぞれ定格倍率と成っていて低い方への変更が出来ても高い方への変更が出来ません。
しかし、intelではExtremeシリーズ、AMDではBlack Editionと言う最高品質のCPUでは
内部倍率を定格倍率以上に変更可能です。
Intel製はかなりのお値段しますがw
【クロックアップの注意点】
CPUもチップセットもメモリでも何でもクロックアップに伴って温度が急激に上がってしまいます。
温度が高いとコンデンサーの破裂や熱暴走等の不具合が予測されますので注意が必要です
CPUクーラーの換装や、ケース内エアフローを見直す等の冷却にも気を使いましょう
【電圧】
高クロックを安定して流す為には、電圧を上げてあげる必要が出てきます。
(後述しますが、電圧を上げずにクロックアップ出来るならそれが1番です)
電圧が足りないと、いきなりブルースクリーンだったり落ちたりと色々な現象が発生します。
理由は定かでは有りませんが、高クロックを流すとクロック間の隙間が短くなりクロック波形が不安定に成りやすく、電圧を上げる事でクロック波形にメリハリをつけ安定させる必要が有る・・・って感じでしょうか
・・・まぁ〜電圧を上げるとよりクロックアップが見込めるって事で覚えています
ただし、電圧を上げるのには最大の注意が必要です。
● 電圧を上げ過ぎると天に召されます
● 電圧を上げると発熱が半端無いです
● 電圧を上げる分だけ電源に無理が生じます
※ CPUだけでなく、VRM(Voltage Regulator Module)やチップセット・メモリ・電源の発熱にも注意が必要。
では、いくら位なら電圧を上げれるのか
実は、
1個1個の固体毎で違いますので答えは有りません。
自分で、少しずつ電圧を上げてストレステストを行って大丈夫だと思う値を地道に導き出す以外に方法は有りません。
しかし、CPU毎に参考と成る値は有ります。
CPU固体毎に有る
VIDと呼ばれる値です。
【VcoreとVIDの関係】
※ 画像はクリックすると大きく表示されます。
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VID : CPUが動作するのに必要な電圧をマザーボードへ要求する値(CPU固体毎に違う値を持つ)
Vcore : マザーボードから実際にCPUへ提供されている電圧の値(大体VIDよりも0.05V程度低い)
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VIDと
Vcoreは、”
CPU-Z”と言うフリーソフトで確認出来ます。
(また、”
Core Temp”と言うフリーソフトで
VIDが解ります。)
※ 画像はクリックすると大きく表示されます。
Vcoreは、左図の
□部分の”Core Voltage”の値です。
VIDは、右図の”About”タブを開き
□部分の”Save Report(.TXT)”をクリックしてReportを出力します。
その出力結果に、
VIDが記載されています。
【minVIDとmaxVID】
上記で説明した通り”Save Report(.TXT)”をクリックしてReportを出力されたテキストファイルで
VIDが確認出来ますが、
実はVIDは1つでは無く最大値(maxVID)と最小値(minVID)が存在します。
つまり、
『minVID〜maxVIDでなら安定して動作します。』とそのCPU自体に記録されています。
(”
Core Temp”上ではVIDが1つしか見れませんが”
CPU-Z”ではminVIDとmaxVIDの2つが見れます。)
で、出力されたReport(テキストファイル)を開き”
MSR 0x000000CE”と書かれている部分を探します。
(MSRレジスタの0x000000CE番地の内容が書かれています)
======<<実際に抜粋>>============================================
MSR 0x000000CD 0x00000000 0x00000804
MSR 0x0000003F 0x00000000 0x00000000
MSR 0x000000CE 0x0013081D 0x7F7F070F
MSR 0x000001A0 0x00000040 0x60972489
MSR 0x000000EE 0x00000000 0x877D5B00
====================================================================
赤い太字で書かれている
”0x0013081D”が求めていた値で有りminVIDとmaxVID(と定格内部倍率)が明記されています。
このデータの見方を簡単に説明します。
例としてMSRレジスタ(Model Specific Register)の0x000000CE番地の内容が
”0x00AABBCC”としますと、、、
AA:Min VID
BB:内部倍率
CC:Max VID
をソレゾレしめしていてデータは以下の方法で見ます。
● 内部倍率
BB=0aの場合:定格倍率 ×X.0(ベースクロック×a.0)
BB=4aの場合:定格倍率 ×X.5(ベースクロック×a.5)
つまり、今回Reportで出力された
”0x0013081D”を読みますと、、、
内部倍率は、”8”と言う事に成ります。
● minVID&maxVID
AAとBBの値をソレゾレ以下の表にあてはて見ます。
AA /BB | VID |
AA /BB | VID |
AA /BB | VID |
AA /BB | VID |
AA /BB | VID |
AA /BB | VID |
AA /BB | VID |
0x02 | 0.8500V |
0x03 | 0.8625V |
0x04 | 0.8750V |
0x05 | 0.8875V |
0x06 | 0.9000V |
0x07 | 0.9125V |
0x08 | 0.9250V |
0x09 | 0.9375V |
0x0A | 0.9500V |
0x0B | 0.9625V |
0x0C | 0.9750V |
0x0D | 0.9875V |
0x0E | 1.0000V |
0x0F | 1.0125V |
0x10 | 1.0250V |
0x11 | 1.0375V |
0x12 | 1.0500V |
0x13 | 1.0625V |
0x14 | 1.0750V |
0x15 | 1.0875V |
0x16 | 1.1000V |
0x17 | 1.1125V |
0x18 | 1.1250V |
0x19 | 1.1375V |
0x1A | 1.1500V |
0x1B | 1.1625V |
0x1C | 1.1750V |
0x1D | 1.1875V |
0x1E | 1.2000V |
0x1F | 1.2125V |
0x20 | 1.2250V |
0x21 | 1.2375V |
0x22 | 1.2500V |
0x23 | 1.2625V |
0x24 | 1.2750V |
0x25 | 1.2875V |
0x26 | 1.3000V |
0x27 | 1.3125V |
0x28 | 1.3250V |
0x29 | 1.3375V |
0x2A | 1.3500V |
0x2B | 1.3625V |
0x2C | 1.3750V |
0x2D | 1.3875V |
0x2E | 1.4000V |
0x2F | 1.4125V |
0x30 | 1.4250V |
0x31 | 1.4375V |
0x32 | 1.4500V |
0x33 | 1.4625V |
0x34 | 1.4750V |
0x35 | 1.4875V |
0x36 | 1.5000V |
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上記表と今回Reportで出力された
”0x0013081D”を照らし合わせると
”minVID=1.0625V”、”maxVID=1.1875V”と成ります。
これは、現在所有しているCPUが
1.0625V〜1.1875Vの電圧を要求していると言う事で有り、
この間の電圧で有るならば比較的安全だとも言えると思います。
(故障しないと言っている訳では有りません)
電圧を上げる事が必要と成ってもこのVIDの範囲からじょじょに上げていく事をお勧めします。
しかし、やはりVIDの範囲内に収める事が安全策だとは思います。
【消費電力】
オーバークロックすると故障する事も有ると何度も述べてますが、
消費電力も増加します。
電圧とクロックが電力に関係してそうなので、省エネを考えるなら
オーバークロックとは逆に
ダウンクロックをしてみても面白いかもですネ
(
消費電力考察ページ)
→
オーバークロックの設定と手順